アンパンマンに登場する熱血ヒーロー、カレーパンマン。実はカレーパンマンが3人に分裂してしまったエピソードがあるのをご存知でしょうか。
今回は、珍しい「3倍カレーパンマン」について、それぞれのキャラクターの特徴や中身のカレーの違い、そして物語の内容を詳しく解説していきます。子どもから大人まで楽しめる、このユニークなエピソードの魅力をお伝えします。
3倍カレーパンマンが誕生したきっかけ
アンパンマンの世界では、ばいきんまんが作った「3倍マシーン」という不思議な発明品が登場することがあります。
この3倍マシーンは、中に入ったキャラクターを3体に増やしてしまう恐ろしい装置です。増えるといっても、単純にコピーされるわけではありません。元のキャラクターに加えて、色も性格も異なる2人が新たに作り出されるのです。
カレーパンマンは、このマシーンに誤って巻き込まれてしまいました。ばいきんまんが捨てた3倍マシーンに偶然入ってしまい、3人のカレーパンマンに分裂するという事態が発生したのです。こうして「3倍カレーパンマン」が誕生しました。
3倍カレーパンマンそれぞれの特徴
分裂した3人のカレーパンマンは、見た目も性格もまったく違います。
それぞれがどんな個性を持っているのか、詳しく見ていきましょう。
普通のカレーパンマン
まずは、元々のカレーパンマンです。いつも通りの山吹色の衣装を身にまとい、黄色いマントを羽織っています。
性格は普段通り、短気で喧嘩っ早いながらも、仲間思いで正義感が強いキャラクターです。中身のカレーも、いつもの中辛カレーで、辛さのバランスが絶妙に取れています。
3人の中では、最もバランスの取れた存在といえるでしょう。
スーパー激辛カレーパンマン
次に登場するのが、スーパー激辛カレーパンマンです。見た目は赤みがかった色合いになっており、よりパワフルな印象を受けます。
性格は元のカレーパンマンよりもさらに怒りっぽく、短気な面が強調されています。すぐにカッとなってしまい、周りを困らせることもあるとか。中身のカレーは激辛で、その辛さは戦闘力にも影響しているようです。
熱血漢な一面が極端に現れたキャラクターといえますね。
超甘口カレーパンマン
最後は、超甘口カレーパンマンです。こちらは柔らかい色合いで、優しげな雰囲気が漂っています。
性格は元のカレーパンマンとは正反対で、優しくて泣き虫な性格になっています。普段のカレーパンマンからは想像できないほど、繊細で感情的な一面を見せるのです。中身のカレーは甘口で、本来甘い食べ物が苦手なカレーパンマンとは真逆の存在になっています。
この3人が揃うと、カレーパンマンの持つ様々な側面が目に見える形で表現されるのです。
3倍カレーパンマンのエピソード
この3倍カレーパンマンが登場するエピソードのタイトルは「アンパンマンと3ばいカレーパンマン」です。
物語は、ばいきんまんが捨てた3倍マシーンにカレーパンマンが巻き込まれることから始まります。突然3人に分かれてしまったカレーパンマンは、それぞれ異なる性格のせいで意見が合わず、バラバラに行動してしまいます。
激辛のカレーパンマンは攻撃的になりすぎて暴走気味に、甘口のカレーパンマンは優しすぎて戦えず、普通のカレーパンマンは2人をまとめようと奮闘します。この混乱をばいきんまんに利用されてしまい、ピンチに陥ることも。
しかし、最終的には3人が協力し合う大切さに気づき、力を合わせて問題を解決していくのです。元に戻るには、もう一度3倍マシーンに3人揃って入るか、マシーン自体を壊す必要があります。
カレーパンマンの中身のカレーと性格の関係
このエピソードで興味深いのは、カレーパンマンの性格が中身のカレーの辛さに影響されているという設定です。
普段のカレーパンマンは中辛のカレーを持ち、短気ながらもバランスの取れた性格をしています。しかし、激辛になると怒りっぽくなり、甘口になると優しく泣き虫になってしまうのです。
実はこの設定、他のエピソードでも描かれています。シチューおばさんにカレーシチューを分けてもらった際には、口調が丸くなったこともありました。また、ミントちゃんのミントが混ざったカレーを補給した時には、しょくぱんまんのように礼儀正しい爽やかな好青年になってしまったこともあるのです。
カレーパンマンにとって、中身のカレーは単なるエネルギー源ではなく、人格形成にも深く関わっているといえるでしょう。
3倍シリーズの他のキャラクターたち
実は、3倍マシーンの被害に遭ったのはカレーパンマンだけではありません。
アンパンマンシリーズには、様々なキャラクターが3人に分裂してしまう「3倍シリーズ」と呼ばれるエピソード群が存在します。ドキンちゃん、しょくぱんまん、メロンパンナ、めいけんチーズ、さらにはばいきんまん自身も3倍になったことがあるのです。
それぞれのキャラクターが3人に分かれることで、普段は見えない内面の多様性が表現されます。誰にでも、怒りっぽい部分、優しい部分、バランスの取れた部分があるという、深いメッセージが込められているのかもしれません。
また、3倍になったキャラクターの声優は、本体とは別の方が担当されています。それぞれの個性をより鮮明に表現するための工夫といえるでしょう。
まとめ
3倍カレーパンマンのエピソードは、一見するとコミカルな展開に思えますが、実はキャラクターの内面を深く掘り下げた興味深い物語です。
普段は熱血で短気なカレーパンマンも、心の中には優しさと激しさの両面を持っています。3人に分かれることで、その多面性が視覚化されるのです。そして、それぞれの個性を認め合い、協力することの大切さも描かれています。
カレーパンマンというキャラクターの魅力を再発見できる、貴重なエピソードといえるでしょう。機会があれば、ぜひこの「3倍カレーパンマン」の回を見てみてください。いつもとは違うカレーパンマンの姿に、きっと新しい発見があるはずです。





