スタジオジブリの作品といえば、長編アニメ映画を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
しかし、短編作品の中にも隠れた名作が存在します。その代表格が「オンユアマーク」。
この作品は約7分という短い時間ながら、深いメッセージ性と美しい映像で多くのファンを魅了してきました。今回は、そんな知る人ぞ知るジブリ作品について詳しくご紹介していきます。
オンユアマークとは?基本情報をチェック
「オンユアマーク」は1995年7月15日に公開された短編アニメーション作品です。
宮崎駿監督が脚本・原作・監督を務め、スタジオジブリが制作しました。上映時間はわずか6分48秒という超短編ながら、その完成度の高さから現在でも根強い人気を誇っています。
制作のきっかけは?
もともとこの作品は、CHAGE and ASKAさんのコンサートツアー用プロモーションフィルムとして企画されました。
同名の楽曲「On Your Mark」に合わせて制作されたため、セリフは一切なく音楽だけで物語が進行します。しかし、あまりにも完成度が高かったため、宮崎駿監督の判断で「ジブリ実験劇場」と銘打って映画館でも上映されることになったのです。
ジブリ実験劇場って何?
「ジブリ実験劇場」という言葉を初めて聞いた方もいらっしゃるかもしれません。
これは宮崎駿監督が「オンユアマーク」を劇場公開する際に付けた特別な名称です。通常のジブリ作品とは異なる実験的な試みであることを示すために、このようなタイトルが冠されました。
耳をすませばと同時上映された話題作
「オンユアマーク」は、長編作品「耳をすませば」の同時上映作品として劇場で公開されました。
当時映画館を訪れた観客は、本編の前にこの不思議な短編作品を目にすることになったのです。セリフのない映像作品という斬新なスタイルと、近未来を舞台にしたSF的な世界観は、多くの観客に強烈な印象を残しました。
オンユアマークのあらすじを紹介
物語の舞台は放射能汚染が進んだ終末的な未来都市です。
地表が汚染されたため、人々は地下都市で生活しています。主人公は2人の警察官で、ある日カルト教団への強制捜査に参加します。
羽の生えた少女との出会い
捜査の現場で、警察官たちは翼の生えた不思議な少女を発見します。
彼女は研究施設のようなところに拘束されていました。2人は彼女を救出し、外の世界へ連れ出そうと決意します。しかし、少女を空へ解放しようとする試みは何度も失敗を繰り返すのです。
物語は同じシーンが異なる展開で繰り返されるという、独特な構成になっています。この反復する構造が、観る人にさまざまな解釈の余地を与えているのです。
どこで見れる?視聴方法まとめ
残念ながら、現在「オンユアマーク」を配信している動画サービスはありません。
ジブリ作品は著作権管理が厳しく、過去にもストリーミング配信されたことがほとんどないのです。そのため、この作品を観るにはDVDのレンタルまたは購入という方法になります。
TSUTAYA DISCASでレンタル可能
「オンユアマーク」を観たい方におすすめなのが、TSUTAYA DISCASの宅配レンタルサービスです。
この作品は「ジブリがいっぱい SPECIAL ショートショート 1992-2016」というDVDに収録されています。TSUTAYA DISCASなら14日間の無料お試し期間があるため、その期間中にレンタルすれば費用をかけずに視聴できます。
定額4プランを利用すれば、月額1,026円で4枚までレンタル可能です。オンユアマーク以外のジブリ短編作品も一緒に楽しめるため、この機会にまとめて鑑賞してみるのもよいでしょう。
作品の見どころと魅力
「オンユアマーク」の最大の魅力は、短い時間に凝縮された濃密な世界観です。
セリフがないからこそ、映像と音楽だけで物語を表現する演出力が際立っています。CHAGE and ASKAの爽やかな楽曲と、終末的な世界観の対比も印象的です。
ジブリ初のCG使用作品
この作品は、スタジオジブリで初めてCG技術を本格的に導入した作品としても知られています。
1995年当時のCGは今ほど発達していませんでしたが、それでも未来都市の表現に効果的に活用されました。手描きアニメーションとCGの融合は、当時としては非常に挑戦的な試みだったのです。
考察要素が豊富
「オンユアマーク」は解釈の幅が広い作品です。
翼の少女は何者なのか、なぜ物語が繰り返されるのか、ラストシーンの意味は何か。明確な答えが示されていないため、観る人それぞれが自分なりの解釈を楽しめます。一部のファンからは「風の谷のナウシカ」の前日譚ではないかという考察もあり、議論が尽きません。
ファンの感想と評価
「オンユアマーク」に対する評価は非常に高いものが多いです。
コアなジブリファンからは「最高傑作」と称されることもあります。短編ながら完成度が高く、何度観ても新しい発見があるという声が目立ちます。
一方で、初見では内容が難解だと感じる方もいらっしゃいます。セリフがなく、抽象的な表現が多いため、一度観ただけでは理解しきれない部分もあるかもしれません。しかし、それこそがこの作品の奥深さでもあるのです。
宮崎駿監督のメッセージ
この作品には宮崎駿監督の強いメッセージ性が込められています。
環境汚染、人間と自然の関係、希望と絶望。短い時間の中に、監督が伝えたかった多くのテーマが詰め込まれているのです。だからこそ、時代を超えて多くの人の心に響き続けているのでしょう。
まとめ
「オンユアマーク」は、ジブリの隠れた名作として今も愛され続けています。
約7分という短さながら、その完成度と深いメッセージ性は、長編作品にも引けを取りません。ジブリ実験劇場という名にふさわしい、挑戦的で芸術性の高い作品です。
現在は動画配信サービスでの視聴はできませんが、TSUTAYA DISCASなどのレンタルサービスを利用すれば観ることができます。まだ観たことがない方は、ぜひこの機会に宮崎駿監督が描いた近未来SF世界に触れてみてください。








