毎年恋しく待っている漫画ファンも多い、宝島社の『このマンガがすごい!』。2026年版が発表され、今年も話題作が勢ぞろいしました。
今回は『このマンガがすごい!2026』で栄えある第1位に輝いた作品を中心に、歴代の名作まで幅広くご紹介します。漫画選びに迷っている方は、ぜひ参考にしてみてください。
『このマンガがすごい!』とは
『このマンガがすごい!』は、宝島社が毎年12月に発行している漫画ランキングガイドブックです。2006年の創刊から数えて、2026年版でちょうど20周年を迎えました。
このランキングの特徴は、男性向け作品を「オトコ編」、女性向け作品を「オンナ編」に分けて紹介している点です。漫画業界の関係者や書店員、漫画好きの有名人などへのアンケートをもとに、その年で最も注目すべき作品を選出しています。
過去には『進撃の巨人』『SPY×FAMILY』『チェンソーマン』『君に届け』『ちはやふる』など、後に大ヒットした作品が多数ランクインしてきました。このランキングに選ばれることで、作品の売上が大きく伸びることも珍しくありません。
このマンガがすごい!2026のオトコ編第1位『本なら売るほど』
2026年のオトコ編で栄冠に輝いたのは、児島青さんの『本なら売るほど』です。古本屋「十月堂」を舞台に、本と人との出会いを描いた心温まる作品となっています。
店主は気だるげな雰囲気の青年で、訪れる客も実にさまざま。本好きの常連客もいれば、不要になった本を処分しに来る人、亡くなった家族の蔵書を売りに来る人など、それぞれの事情を抱えています。
この作品の魅力は、派手な展開がなくても心に残る静かな物語。本を通じて人と人がつながっていく様子が、丁寧に描かれているのです。また、実在する書籍が数多く登場するため、読み終えた後に「この本も読んでみたい」と思わせてくれます。
古本屋という仕事のリアルな側面も描かれており、不良在庫の処分に頭を悩ませる場面など、理想と現実のギャップも隠しません。だからこそ、本を愛する気持ちがより深く伝わってくるのでしょう。
このマンガがすごい!2026のオンナ編第1位『半分姉弟』
オンナ編の第1位には、藤見よいこさんの『半分姉弟』が選ばれました。「ハーフ」と呼ばれる人々の日常を描いた、今の時代だからこそ読むべき作品です。
フランス人の父と日本人の母を持つ主人公は、日本で生まれ育ったにもかかわらず、外見や名前から「異物」として扱われることがあります。弟が「普通になるため」に改名したと告白する場面は、読者の胸を打ちます。
作品では学校や飲食店など、日常のあらゆる場面で起こる些細な差別やマイクロアグレッションが丁寧に描かれています。作者自身もスペイン人の父を持ち、さまざまな当事者への取材を重ねた上で描かれた意欲作。
多様性について考えるきっかけを与えてくれる作品として、多くの読者から支持を集めました。第1話がSNSで大きな話題となり、連載化されてからも注目を集め続けています。
歴代の第1位作品から読むべき名作
このマンガがすごい!の歴史を振り返ると、数々の名作が生まれています。ここでは特に印象的だった歴代第1位作品をいくつかご紹介しましょう。
2011年のオトコ編では『進撃の巨人』が1位に輝きました。当時はまだ連載開始から間もない頃でしたが、その後の大ブームを予見するかのような評価でした。巨人が支配する世界で人類が生き残りをかけて戦う物語は、社会現象にまで発展しました。
2020年には『SPY×FAMILY』がオトコ編1位を獲得。スパイ、殺し屋、超能力者という異色の家族の日常を描いた作品は、その後アニメ化されて社会現象となりました。
2022年には藤本タツキさんの『ルックバック』が1位に。前年の『チェンソーマン』に続く2年連続での1位獲得は、史上初の快挙でした。
オンナ編では、2010年に『ちはやふる』が1位を獲得。競技かるたという題材の新鮮さと、熱い青春ドラマが高く評価されました。
2021年には和山やまさんの『女の園の星』が1位に選ばれています。女子校の先生たちを描いたコメディは、独特のユーモアセンスで多くの読者を魅了しました。
2025年にはよしながふみさんの『環と周』がオンナ編1位に。『きのう何食べた?』以来16年ぶりの1位獲得となり、ベテラン作家の健在ぶりを示しました。
2026年のランキングその他の注目作品
第1位以外にも、このマンガがすごい!2026には注目作品が多数ランクインしています。
オトコ編の2位は清野とおるさんの『「壇蜜」』。タレントの壇蜜さんとの結婚生活を描いた作品で、夫婦の日常が独特の視点で綴られています。
3位の『サンキューピッチ』は、野球ができない秘密を抱えた謎の男が高校球児に勝負を挑む物語。9回裏から始まる異色の野球漫画として話題を集めました。
4位には『みいちゃんと山田さん』と『魔男のイチ』が同率でランクイン。前者は新宿のキャバクラを舞台にした人間ドラマ、後者は魔法を題材にしたファンタジー作品です。
オンナ編では2位に高妍さんの『隙間』がランクイン。台湾・台北に暮らす女子大生が、祖母を亡くした悲しみを抱えながら沖縄へ留学する物語です。
3位の『起承転転』は、50歳で無職になった元役者の女性が、故郷の福岡で人生の再出発を図る物語。年齢を重ねることの意味を問いかける作品として、幅広い世代から共感を集めました。
6位には『凪のお暇』がランクイン。2019年以来7年ぶりのトップ10入りとなり、根強い人気を証明しました。空気を読みすぎて疲れた女性が、人生をリセットする姿が描かれています。
まとめ
このマンガがすごい!2026は、創刊20周年という節目の年にふさわしい充実した内容となりました。オトコ編1位の『本なら売るほど』は本好きの心に響く作品であり、オンナ編1位の『半分姉弟』は現代社会の課題に向き合う意欲作です。
歴代の1位作品を見ても、その後大ヒットした名作が数多く含まれています。まだ読んでいない作品があれば、ぜひこの機会に手に取ってみてはいかがでしょうか。
漫画は時代を映す鏡でもあります。このマンガがすごい!のランキングを参考にしながら、自分だけのお気に入り作品を見つける楽しみを味わってください。きっと人生を豊かにしてくれる一冊に出会えるはずです。








