国民的アニメ『サザエさん』を見ていると、カツオのクラスメイトとして登場する花沢さんの存在感に圧倒されることがあります。ダミ声で「なぁに、磯野くん」と声をかける姿は、もはや作品の代名詞とも言えるでしょう。
しかし、サザエさんの花沢さんは原作の漫画には登場していないキャラクターだということをご存知でしょうか。今回は、そんな意外な事実について詳しく見ていきたいと思います。
花沢さんは本当に原作にいないの?
アニメで強烈な印象を残している花沢花子さんですが、長谷川町子さんが描いた原作漫画には登場していません。
厳密に言えば、背格好が似ているキャラクターは原作にも描かれているものの、「花沢さん」として確立されたのはアニメが初めてでした。アニメ版は1969年に放送が始まりましたが、花沢さんが初めて登場したのは1971年3月7日放送の「成績こわい」という回からです。つまり、番組開始から約1年5ヶ月後に誕生したキャラクターということになります。
今やサザエさんに欠かせない存在
カツオに好意を寄せ、将来の夢は「磯野くんのお嫁さん」と公言する彼女の積極的な姿勢は、多くの視聴者の記憶に刻まれています。不動産業を営む実家の手伝いをしながら、料理や裁縫も得意という家庭的な一面も持ち合わせており、サザエさんで花沢さんは原作にいなくても、今やなくてはならない存在となりました。
アナゴさんもアニメオリジナルキャラクターだった?
花沢さんと同じく、マスオの同僚であるアナゴさんも実はアニメオリジナルのキャラクターなんです。
タラコ唇が特徴的で、マスオさんの良き理解者として職場でのシーンには欠かせない存在となっています。お調子者ながら実は高学歴という設定もあり、奥さんの尻に敷かれている姿も印象的ですよね。年齢は27歳という設定で、28歳のマスオさんより年下なのに対等な関係性を築いているのも面白いポイントでしょう。
アナゴさんも花沢さんと同様に、原作には背格好が似たキャラクターが登場しているものの、現在のような個性豊かな「アナゴさん」として定着したのはアニメからでした。
中島くんも原作には登場していなかった
カツオの親友として知られる中島くんも、アニメオリジナルのキャラクターなんですよ。
フルネームは中島弘といい、花沢さんとカツオの三角関係(?)を形成する重要な存在となっています。原作では名前が明かされていない似た人物が描かれているものの、「中島くん」として確立されたのはアニメ版からです。興味深いことに、原作に登場する中島くんらしき人物の両親は戦争で亡くなったという設定があり、アニメでもおじいさんと兄しか登場していないのをご存じでしょうか。
その他のアニメオリジナルキャラクターたち
サザエさんの花沢さんは原作にいないという事実に驚いた方も多いでしょうが、実際には他にもアニメオリジナルのキャラクターが数多く存在します。
カオリちゃんと早川さん
カツオや中島が憧れを抱く大空カオリちゃんは、原作には登場しないアニメオリジナルキャラクターです。お嬢様風の雰囲気を持つ彼女の存在が、花沢さんの片思いをより際立たせる役割を果たしているとも言えるでしょう。
また、早川さんは原作にわずかに登場するものの、アニメとは外見がまるで異なっているんです。
かつて登場した浜さん一家
現在は登場しませんが、かつてアニメには浜さん一家という磯野家の隣人が登場していました。
画家の浜さん、その家族、そして葉巻を吸っていた犬のジュリーまで、すべてアニメオリジナルのキャラクターです。浜さん一家は奥さんの病気療養のため伊豆に引っ越していったという設定になっています。一時期は伊佐坂先生一家に代わって登場していた時期もあり、アニメ独自の展開を見せていました。
三河屋のサブちゃん
磯野家に配達に来る三河屋のサブちゃんも、アニメで生まれたキャラクターです。
前任者の三平さんが結婚して山形の郷里に帰った後、青森出身のサブちゃんが後を継ぎました。郷里は過疎化が進んでいるという設定もあり、細かいバックグラウンドまで作り込まれています。
なぜアニメオリジナルキャラが生まれたのか
長期にわたって放送されているアニメならではの事情があります。
原作漫画は1974年に作者の長谷川町子さんが連載を終了していますが、アニメは現在も放送が続いています。そのため、アニメ独自のストーリー展開やキャラクター設定が必要となり、多くのオリジナルキャラクターが誕生しました。
特に花沢さんのような個性的なキャラクターは、アニメの世界観を豊かにし、視聴者を飽きさせることがありませんね。脚本家の雪室俊一さんは、俳優の花沢徳衛さんの娘と知り合いだったことから「花沢」という名前をつけたというエピソードも残されています。
原作とアニメの違いを楽しむ
原作に登場しないキャラクターたちが、これほどまでに作品に溶け込んでいるのは驚きですね。
花沢さんやアナゴさん、中島くんといったキャラクターは、今や『サザエさん』という作品を語る上で欠かせない濃い存在となりました。彼らがいない『サザエさん』を想像することさえ難しくなっています。
アニメオリジナルキャラクターの存在は、原作の世界観を尊重しながらも、新しい魅力を付け加えてくれる大切なところです。長く愛され続ける作品だからこそ、時代に合わせた進化や変化も必要なのかもしれません。
まとめ
『サザエ』さんを見ていて当たり前のように登場する花沢さんやアナゴさんが、本当は原作漫画には登場していないという事実は、多くの視聴者にとって意外な発見だったのではないでしょうか。
半世紀以上にわたって放送されてきたアニメだからこそ、原作を超えた独自の世界観が構築されていったのです。これからも日曜日の夕方に流れるあの音楽とともに、オリジナルキャラクターたちの活躍を楽しんでいきたいですね。次回『サザエさん』を見る際には、「このキャラクターは原作にいたかな?」と考えながら視聴すると、また違った楽しみ方ができるかもしれません。








