幻の空に浮かぶ島『ラピュタ』を巡る争いが描かれる『天空の城ラピュタ』
その中でも一際ラピュタに対して強い執着心と野心を滲ませる人物『ムスカ』
悪役でありながら、どこか憎めずSNSでも大人気のムスカ!
今回はそんなムスカの年齢や本名から、サングラスの意味など、知っているようで知らなかった、その正体に迫ります。
ムスカの年齢設定は28歳?それとも32歳?
ムスカは茶色いスーツに茶色のサングラス、七三に分けた金髪がトレードマークの男性です。
キレ者で冷酷な悪役。そんな出で立ちをしています。
初登場シーンは本作主人公のパズーよりも早く、作品冒頭になります。
ゴンドアの谷から連れ去ったシータとともに、豪華な飛行船に乗っているシーンですね。
ここでムスカはシータに空き瓶で殴られ気を失ってしまいます。
背後から不意打ちとはいえ、13歳くらいの少女に倒されてしまうとは、案外ひ弱な体なのかもしれませんね笑
そんなムスカの年齢ですが、これには28歳と、32歳の2つの説があります。
その情報のでどころですが、驚くことにファンの間での想像ではなく、2つの説はともに、正式に刊行された書籍に書かれた情報なのです。
なぜ異なる情報が書かれているのでしょうか?
今回はそれぞれの説を、書籍情報を含め紹介していきます。
28歳説
まずは28歳説です。
これは、1986年8月の『アニメージュ』で書かれている情報になります。
『アニメージュ』は徳間書店より30年以上の長きに渡って刊行されている、様々なアニメをピックアップして紹介している人気雑誌です。
当然ながら年齢は適当ではなく、スタジオジブリから提供された情報と記載していると見られるので、かなり信憑性があると考えられます。
32歳説
こちらは、2001年に徳間書店より刊行されたフィルムブック『ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』に書かれている情報です。
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驚くことに、両方とも徳間書店から刊行された書籍の情報なんです笑
どっちが正しいのでしょうか?
その後、スタジオジブリから正式なアナウンスはないため、正解は不明です。
しかし、3つの理由から『32歳説が濃厚ではないか』と言われている様です。
その理由がこちらです。
① 『ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』がスタジオジブリ公式フィルムブックだから
『ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』では、年齢といった設定情報以外にも、宮崎駿監督のインタビューからアフレコ・リポートといった、かなりマニアックな内容が書かれています。
つまり、スタジオジブリの全面協力のもと作成された公式フィルムブックといえます。
そこに誤った年齢が記載されるとは、ちょっと考えにくいですよね。
②アニメージュの情報は『28歳(仮)』だった?
アニメージュに情報が記載されたのは1986年8月号。
実際に映画が公開されたのはその後です。
つまり、提供された情報は公開前の時点での仮情報だったのかもしれません。
例えばドラマや映画でも、製作段階では細かい設定が決まっておらず、『○○(仮)』って表示されることがありますよね。
ただでさえ登場人物の多い『天空の城ラピュタ』の中で、正式に登場人物の年齢を設定するのは大変だったのかもしれません。
③ムスカの外見や軍の階級に合わせて修正した?
ムスカの見た目ですが、皆さんは「28歳と32歳のどっちだと思う?」と聞かれたらどちらの年齢を答えますか?
私は断然32歳と答えます笑
まとっているオーラが20代とはとても思えません。
また、ムスカは軍隊に所属していますが、その階級は『大佐』です。
大佐とはどれくらい偉いのでしょうか?
これは例としてあげたものですが、他の国でも大きくは変わらない様です。
若くして大佐になったムスカって、実はすごい人だったんですね!!
もちろん20代で若くしての大抜擢だったのかもしれませんが、32歳という数字の方がどことなくリアルな感じがします。
以上の3つを考えると、
アニメージュ段階では年齢は仮設定されていたが、公開後になって外見や階級を加味して少し年齢を上に修正された。
その後にあらためて公式な情報として『ロマンアルバム 天空の城ラピュタ』に掲載された。
という説がしっくりくるように感じます。
ムスカの本名は?
ムスカの本名は『ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ』
この名前に隠された意味を皆さんはご存知ですか?
そのヒントとなるのが、シータの本当の名前です。
シータの本名は『リュシータ・トエル・ウル・ラピュタ』
- トエル=真(まこと)
- ウル=王
シータはラピュタの正統なる王位継承者であることがムスカの口から明かされています。
ムスカの本名にも王を意味する『ウル』が含まれており、ムスカとシータはラピュタの王家に連なる存在であることがわかります。
そしてムスカの本名にはもう一つ、作中明かされなかった意味があります。
それが『ロムスカ・パロ・ウル・ラピュタ』の『パロ』です。
『パロ』とは、ギリシャ語で『従属』を意味します。
つまり、同じ王家でありながらもムスカの一族はシータの一族に従う主従関係にあったのです。
しかし、ムスカはシータを敬うどころか殴ったり、跪いて命乞いをする様命令するなどしています。
とても従う側の人間がすることではありませんよね。
そして作品終盤、飛行石を持って逃げたシータを追い詰めたムスカはこう言っています。
『終点が玉座の間とは上出来じゃないか』
正統な王位継承者を、従う側であるべきはずの自分が玉座の間へ追い詰めたこと。
これが愉快でたまらないように笑います。
なぜムスカが異様なほどにラピュタの王になることに執着したのか。
そこには、いつか自分たちの一族がシータの一族に代わり玉座につこうという、長きにわたるムスカ一族の因縁のようなものがあったのかもしれませんね。
ムスカが目を失明したのはバルスのせい?
『目が、目がぁ・・・』
ムスカのセリフの中でも、一二を争うほど有名なセリフですよね。
滅びの呪文である『バルス』をパズーとシータが唱えた後のムスカのセリフです。
「目が、目がぁ……」#ムスカ #ラピュタ #天空の城ラピュタ #パズー #シータ #ドーラ#目が #目がぁ pic.twitter.com/AmLcWoAir6
— アンク@金曜ロードショー公式 (@kinro_ntv) August 30, 2019
よく玉ねぎを切って目が痛くなった時に呟きがちがこのセリフですが、本人にとっては笑い事ではありません。
なぜならば、この時ムスカは目を失明していたと言われているからです。
なぜ失明してしまったのか、今回は2つの説を紹介します。
バルスによって目が失明した
飛行石はとても強い力を持つ石です。
その強さは、あの巨大なラピュタという島を半永久的に空に浮かせ続けるほどです。
更に、地下に眠る石たちも飛行石が近くにあるだけで共鳴して光っていました。
その飛行石がバルスによって力を一気に開放した際に発生した光は、兵器並といって良いでしょう。
太陽の光でさえ、少し見続けるだけでじりじりと目が痛くなってしまいますよね。
ムスカはそれを近距離で受けたことにより、目が焼け失明したと言われてます。
そこで疑問になるのが、飛行石を持っていたパズーとシータが無事だったことです。
普通なら、一番近くにいた人が更に多大な被害を被りそうですよね。
しかし無事だったのは、飛行石やラピュタそのものに宿る『シータを守る』という意思にあった様です。
飛行石は幾度となくシータを守り、パズーのもとに導きもしています。
また、ラピュタ自体もバルスによって崩壊しながらも木の根で2人の落下を防いでくれました。
そのため、バルスによる光線からも、シータと、それだけでなく同じく呪文を唱えたパズーを守ってくれたのでしょう。
サングラスの破片によって目が失明した
2つ目の説が、サングラスの破片が目に入ってしまい失明したという説です。
ムスカは常にサングラスを着用していました。もちろんバルスが発動した際にもかけています。
しかし、その後の目を抑えるシーンではサングラスがありませんでした。
ムスカのサングラスはバルスが発動した際の衝撃により割れ、不運にもその破片が目に入り傷がついたことにより、失明に至ったとも言われています。
どちらの説にしても、崩壊していくラピュタの中で目が見えずさまようことを想像すると、
いくらムスカが悪役とはいえ少し可哀想な気がしますね。
ムスカがサングラスをする理由や色素が薄い説について
次に紹介するのが、ムスカのサングラスに隠された秘密です。
ムスカのトレードマークであるサングラスですが、一体なぜ彼は室内外問わずサングラスをかけていたのでしょうか。
ラピュタの内部の暗いところでもかけていたので、逆に見えにくくないのか心配ですよね笑
実はムスカがサングラスをかけている理由は、その目に原因があると言われています。
ムスカの目を見てみましょう。
ムスカの目はかなり色の薄い金色であることがわかります。
日本人にはまず見られない目の色ですよね。
実はこの目の色の濃さによって、光を眩しいと感じる度合いが異なるという調査結果が出ています。
- 瞳の色が濃い=光を通しにくい=眩しさを感じにくい
- 瞳の色が薄い=光を通しやすい=眩しさを感じやすい
青や緑の目をした欧米の人たちはよくサングラスをかけている印象がありますが、別にお洒落でかけているわけではなかったんですね笑
ムスカはかなり薄い目の色をしていますから、直接日光に当たらなくても、常にサングラスをかけなければ到底耐えられないほどの眩しさを感じていたのかもしれませんね。
ムスカは落下した後に死亡したのか?
最後に、ラピュタ崩壊後のムスカについて紹介します。
バルスでラピュタが崩壊した後、ムスカはどうなったのでしょうか?
実はムスカ、落下するシーンが激写されています。
それがこちら!
茶色い服を着ているのがわかりますね。
作中、全身茶色のスーツを着た人物はムスカだけですので、ほぼ間違い無いでしょう。
ラピュタの王になることを夢見たムスカが、そのラピュタの瓦礫とともに為す術なく落ちていく姿がなんとも皮肉ですね。
落下した後のムスカの生死ですが、ラピュタの下には広大な海が広がっていることが少し前のシーンでわかっています。
雲よりも高い高度から海に落下して、生きていられる人間はいないでしょう・・
また、仮に衝撃に耐えたとしても、目が失明しているムスカが陸まで泳ぎ切ることは不可能であると言えるので、
残念ながらムスカは落下の時に死んでしまったと考えられます。
まとめ
今回は、冷酷なジブリが誇る名悪役『ムスカ』について紹介させていただきました!
スタジオジブリに登場する悪役はみんなどこか憎めず、愛着が湧くキャラクターばかりですが、その中でもムスカほど愛されている悪役はいないのではないでしょうか。
散り際の落下シーンも必見です!
ぜひ、次に見る時は一時停止しつつ探してみてくださいね。