大人気ジブリ作品『もののけ姫』に登場するヤックルは“架空の動物”として、生まれたキャラクターだと言われています。
ということはモデルになった動物はいるのでしょうか?
他にも、性別はオスなのかメスなのか?…など、ヤックルは意外と謎だらけ。
今回はヤックルの正体について調べてみました。
もののけ姫のヤックルってどんなキャラ?正体に迫る
優しく、アシタカに忠実で、勇敢さをも持ち合わせているヤックル。
アシタカの相棒として、ファンの間でも癒しキャラで人気がありますよね。
どんな“生き物”なのか実態を詳しく調査していきましょう。
ヤックルのモデルは鹿ではない?
ヤックルのビジュアルから、鹿のような、トナカイ?のような面影を感じますが、モデルになった動物っているのでしょうか?
そう言えば、ジコ坊が、アシタカの事を『アカシシにまたがった少年』と発言していましたよね。
そして“今は絶滅したアカシシと呼ばれる、偶蹄類の仲間”という設定があります。
赤獅子……?
いや、絶対に違う(汗)
アカシシはこっち。↓
ヤックルのモデルは、こちらのアカシシなのです!
角の形といい、出で立ちといい、ヤックルそのものですよね。
アカシシとは、オオカモシカのことを言い、別名エランドと呼ばれています。
英名 | エランド(Eland) |
生息地域 | 中央・南アフリカ |
体長 | オス:240~350cm、メス:200~280cm |
体重 | オス:400~1000㎏、メス:300~600㎏ |
ウシ科に属する動物で、昼行性でありながら暑い日中はあまり活動しないという特徴を持っています。
ちなみに、こちらのアイベックスも、ヤックルのモデルではないか?と言われています。
学名 | アイベックス(Capraibex) |
生息地域 | ヨーロッパのアルプス山脈 |
体長 | 1.4~1.7m |
体重 | 60~150㎏ |
オオカモシカよりも、ヤックルとビジュアルがそっくりだという声が多数上がっているのです。
アイベックスは、“野ヤギ”とも呼ばれるヤギ科の動物で、立派な角に赤い体が特徴。
ジコ坊が言う“アカシシ”発言からも連想できるように、ヤックルモデル説の動物として有名です。
スタジオジブリ公式ツイッターでも、“ヤックルは架空の生き物であり、オオカモシカがモデル”という記載が。
Q:ヤックルはずっと鹿だと思っていたのですが……人が鹿に乗っているイメージがないのですが……。
A:ヤックルは架空の動物です。「今日では絶滅した、アカシシと呼ばれる大カモシカ」という設定があります。— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) August 13, 2021
つまりヤックルのモデルは、オオカモシカという事になりますね。
ヤックルの性別はメス?オス?
ヤックルってそもそも、性別ってどちらなのでしょうか?
調べを進めていくと、ネットでは、『メス説が濃厚』という情報も!
ふっさふさのまつ毛……。それは確かに女子力高すぎ。
しかし、角が生えてるからオスだという声も多く拝見いたしました。

引用元:スタジオジブリ
確かに、立派ですよね。
しかし、ヤックルモデル説のオオカモシカ、アイベックスともに、オスのみならず、メスも角が生えているので、角で性別の判別はできません。
では、『ヤックルメス説』の発端である、ヤックルの仕草や所作から考察していきたいと思います!
アシタカを見つめる熱い眼差し

引用元:スタジオジブリ
ヤックルは、主人であるアシタカを温かく見つめているシーンが、多くみられます。
そこから、ファンの方々は、“この眼差しは完全にメスなのでは!?”と話題になっているのです。
見事な通訳力

引用元:スタジオジブリ
山犬・モロの君や、その子供たち、動物の言葉を、見事に通訳しているヤックル。
細やかで丁寧なその所作は、メス説を濃厚にしている要因といえます。
しなやかな動きと優しさ

引用元:スタジオジブリ
激走するシーンのヤックルの足の速さたるや、驚くほどのスピードを持っていますが、とにかくしなやか!
オスらしい力強さというよりも、スマートで柔らかい凛とした強さを感じる方が多いようです。
そして、モロの君の子供たちを、優しく面倒を見るあたりは、メスである事を証明しているかのような母親感があります。
うん。やはりメス説、濃厚の模様。
公式でも不明とされているようなので、確かな情報はありませんが、ヤックルの性別を考察してみるのも、もののけ姫を楽しむ要素としておすすめです。
ヤックルと山犬はいつから仲良くなったの?食べられそうになったのに…

引用元:スタジオジブリ
山犬・モロの君と子供たち、ヤックルといえば、上記で触れたように、一緒に遊んでいるシーンは、微笑ましく、仲良しの印象がありますよね。
でも、一体いつから?
確か、銃で撃たれ負傷したアシタカを、サンが運んでいた時、山犬の子供たちが『あいつ、食っていい?』と聞いてましたよね……?
サンがアシタカを“私の獲物だ”と言っていたように、ヤックルも山犬にとって、捕食対象でしかなかったはずです。
でもいつの間にか、互いのにおいを嗅ぎあったりして仲良くなっていた山犬とヤックル。
山犬の匂いがするサンに対して、背中から振り払おうとする仕草を見せるなど、ヤックルも初めは、サンと山犬に対して恐怖心を抱いていました。
山犬とヤックルが仲良くなった要因として、
- サンとアシタカの信頼関係の構築
- 山犬・モロの君がアシタカに心を許したこと
この2つが大きく関係しているといえます。
サンや、山犬にとって人間は、自分たちと自然に危害を加える生き物として認識されていましたが、アシタカと行動をともにし、エボシに立ち向かって戦っていくうえで、アシタカに対して印象を変えていきます。
乙事主に飲み込まれ意識を失ったサンを、アシタカが運んだ時には、モロの君もアシタカのことを認め、サンの未来を託そうとしていたように、ヤックルに対しても“仲間意識”のようなものが芽生えたのです。
最後は、鼻をすり合わせるなどすっかり仲良しになった山犬とヤックルの姿は、癒される度抜群ですね。
もののけ姫の最後でヤックルとアシタカはどうなった?

引用元:スタジオジブリ
シシ神の首を戻し、サンも回復し、アシタカの呪いも解けた最後、アシタカとヤックルは、サンも元を去りますが、その後どうなったのでしょうか?
その時、『アシタカは好きだけど、人間を許すことは出来ない。』というサンに対し、
『サンは森で、私はタタラ場で生きよう。会いに行くよヤックルに乗って。』と言っていました。
場所は違えど、ともに生きていこうという力強くも優しいアシタカに、サンのみならず心奪われたシーンとして有名ですよね。
二度と生まれ故郷に帰れないアシタカにとって、タタラ場は再起の場所であり、人間と“生き物”の共存のため、そして、サンのために留まる事を決意したのかもしれません。

引用元:スタジオジブリ
サンとアシタカは、後に結婚するいう情報もあり、宮崎駿監督の絵コンテには、アシタカがプロポーズをしてサン承諾するという記載もあるのだとか。
タタラ場と、森で暮らしながら、アシタカとサン、山犬、ヤックルとともに共存していくのでしょう。
モロの君に代わって、ヤックルが山犬二匹の母親代わりになるのでは……?(年齢は山犬のほうがはるか上ですが(汗))と、勝手に想像してにやけている筆者であります。
ヤックルはもののけ姫以前から登場していた
もののけ姫で、ヤックルを初めて拝見した時、『ん?どこかで見たことあるぞ!』と思った方も多いのではないでしょうか?
それもそのはず、ヤックルはジブリ作品にたびたび登場しているのです。
風の谷のナウシカのヤックル

引用元:漫画版 風の谷のナウシカ
漫画版の『風の谷のナウシカ』にて、ヤックルと思われる生き物が登場しています。
角の生え方や、毛並みなどヤックルそのものです。
『風の谷のナウシカ』といえば、ユパ様が乗っていた“トリウマ”や、テトが有名ですが、ヤックルも登場していたとは、驚きですね。
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ナウシカと絵の雰囲気が似ている『シュナの旅』に、“ヤックル”として登場しており、ビジュアルももののけ姫のヤックルと酷似しています。

引用元:スタジオジブリ
宮崎駿監督が、1983年にファンタジー絵物語として出版した作品で、直接の関係こそないものの、後の『風の谷のナウシカ』『もののけ姫』『ゲド戦記』を彷彿とさせるストーリー要素が詰まっています。
詳細は不明ですが、映画化を望む宮崎吾郎監督の声に、宮崎駿監督が首を振ったという情報があります。
ぜひ、映画化して『シュナの旅』のヤックルを拝見してみたいものです。
ゲド戦記のヤックル

引用元:スタジオジブリ
ビジュアルは違いますが、『ゲド戦記』にもアレンの相棒として、登場しています。
国の王子であるアレンが、魔法使いのゲドと旅をして、とある少女・テルーと出会うことで闇に覆われていたアレンの心が救われていく物語として人気の『ゲド戦記』。
上記でご紹介した『シュナの旅』で『ゲド戦記』を随所に感じることができますので、ヤックルの登場とともにチェックしてみてください。
まとめ
『もののけ姫』に登場するヤックルについてご紹介いたしました。
ヤックルのモデルとなったのは、オオカモシカであり、性別は不明。
しかし、仕草や性格から、やはりメス説が濃厚なようですね。
ヤックルが『もののけ姫』のみならず、漫画『風の谷のナウシカ』や、『ゲド戦記』で登場していたとは驚きでした。
上記3作品の原点ともいうべき『シュナの旅』で生まれたキャラクターと言われているヤックル。
多くの人に愛されるヤックルを、色々な作品で探してみてくださいね。