スタジオジブリ人気作品『もののけ姫』のエボシ御前に、様々な噂がある事をご存じでしょうか?
凛としていて、村の女性達から慕われ憧れを持たれる、かっこいい女性代表といった印象ですが、どこか掴めない闇を感じるのは筆者だけではないはず……。
そこで謎に満ちたエボシ御前をクローズアップ!
- エボシ御前は20代って本当!?
- 人身売買された過去って?
- サンとの関係は?
エボシ御前にまつわる噂を徹底解剖していきます。
エボシ御前は年齢不詳!一部では20代では?との声も
たたら場の住人や、部下・ゴンザから、“エボシ様”と呼ばれるエボシ御前。
『一体、何歳なの?』と疑問を持つ方も多いはず。
住人はまだしも、ゴンザのほうが遥か上に見えるのは筆者だけでしょうか?(汗)
エボシ御前について調べを進めていくと……、
29歳という情報が!!
残念ながら公式での正しい年齢設定は不明でしたが、29歳という情報が非常に多かったです。
30代前半とおっしゃっている方もいたため、エボシのビジュアル、佇まいや仕草を見ても、29歳~34歳の間と考えられます。
『もののけ姫』の時代設定は、室町時代であり、主人公・アシタカは、17歳だと言われています。
アシタカとカヤのように10代で婚約者となる時代ですから、必然的に、結婚時期も早い事が予想されます。
タタラ場の住人・とき・甲六夫妻が20代前半だとしたら、エボシ御前の29歳説も納得の年齢ですね。
ちなみにゴンザの年齢も調べてみましたが、不明でした(泣)。
憶測では、30代~50代と何ともいえない幅の広さ……。
ときや村の女性たちにも頭が上がらないゴンザは、優しく頼もしい印象がありますね。
エボシ御前の知られざる過去と裏設定
エボシ御前の年齢について、ご紹介してきましたが、波ではない心臓の持ち主、圧倒的リーダー感。
『その貫禄はどこから出ているの?』と聞きたくなるほど、大人レディなエボシ御前ですが、そこには壮絶な過去が隠されている模様……。
エボシ御前の裏設定とも言われ、ファンの間で囁かれている過去の実態を紐解いていきましょう。
エボシ御前は人身売買をされた身だった
エボシ御前は、売られそうになっている娘をタタラ場に住ませて働かせたり、病気を患う人々に寄り添うなど、“人間の生きる場所”を作る為に尽力し続けていますよね。
実は、エボシ御前には、自身も人身売買された過去があると言われています。
スタジオジブリ公式ツイッターに、このような投稿がありました。
A:エボシについては、公開当時のインタビューや対談で宮崎さんが、海外に売られ、倭寇の親玉の女房になり、腕を磨いて、男を殺して財宝を奪い、戻ってきたという話を考えたりもした、という旨を話しています。そういう、相当惨憺たる思いを味わってきた人、という事のようです。 pic.twitter.com/aALfGjAlPq
— スタジオジブリ STUDIO GHIBLI (@JP_GHIBLI) August 13, 2021
『もののけ姫』監督・宮崎駿さんのお言葉とは、これは間違いなく真実情報ですね。
エボシ御前自身が、過去に海外に売られて、倭寇の妻となって腕を磨き、夫を殺して戻る時に、当時の夫の部下だった男を連れてきたとも言われており、その男こそが、ゴンザであるのです。
自分の親分を殺されたのに、ついてくるって相当の尊敬がないとできません。
パンフレット情報によると、ゴンザは、エボシ御前に片思いしているという記載もあるのだとか。
切ない恋心とともに、忠誠を誓う部下として、並々ならぬ思いがあったのでしょう。
しかし、エボシ御前すごすぎる……。
女性達でも持てる銃や、生きる場所を作り続けるのは、自身のような思いはさせまいという強い思いがあったのですね。
エボシ御前は当初、男の設定だった
そして、また一つ、エボシ御前には、“元々は男性の設定だった”という情報が囁かれています。
残念ながら、確かな情報は得られませんでしたが、『もののけ姫』のパンフレットにて、エボシ御前について、
同じことをやっても、男なら『経営者』になっちゃうけど、女なら『革命家』になる。
と記載されていたという情報がある事から、エボシ御前の強さや、所作、男前な性格から、男性設定という噂が流れたのではないか?と推測されます。
そして、エボシ御前の推定身長は160cmと言われており、室町時代の女性の平均身長は、147cm前後。
高身長だということも、男性設定を濃厚にしている要因のひとつだと思われます。
真偽は不明ですが、いずれにしても男前なエボシ御前かっこいい!(執筆していくうちにすっかりファンになってしまいました。)
エボシ御前のモデルは立烏帽子
そしてもう一つ、エボシ御前のモデルは、立烏帽子説があります。
立烏帽子とは、鈴鹿山に現れた山賊で絶世の美女であり、鈴鹿山の山賊のかしら・悪路王の妻で、またの名を『鈴鹿御前』といいます。
立烏帽子を退治にきた坂上田村麻呂に好意を寄せ、夫・悪路王討ちとりに手を貸した模様。
な、なかなかの悪女……のような印象ですが、
- 絶世の美女
- 山賊のかしらの妻
- 夫を殺害
という点で、エボシ御前と共通点がありますし、“御前”がついているあたりもモデル説を濃厚にしています。
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宮崎駿監督は、著書『折り返し点』でのインタビューにてこう語っています。
網野
「この映画はおはなしとしてもたいへんにおもしろいですが、深山の麓でタタラ集団を率いている女性・エボシ御前は、女性たちをはじめ、私からみると「非人」と思われる人たちや牛飼いなど社会からはみ出した者たちに仕事をさせて、尊敬を集めています。
遊女・白拍子に見えますが、どういうお考えであのような女性を登場させたのですか?」
宮崎駿
「悪路王をしずめた立烏帽子という絶世の美女の伝説があるんですが、実は私の山小屋のある村が烏帽子といいまして(笑)。
案外、出発点はそのあたりだったりするんです。海外に売られて、中国人の倭寇の大親分の妻になって、腕を磨いて、あげく男を殺して財宝を奪って、戻ってきた女とか(笑)」
先ほど、ご紹介させていただいた、エボシ御前人身売買の過去についても、詳しく書かれています。
エボシ御前のモデルは、やはり立烏帽子で、宮崎駿監督の山小屋がある村・烏帽子から名前がきていたのですね。
エボシ御前とサンは親子関係だったのか?
そして最後に、エボシ御前とサンが親子説の存在をご紹介いたします。
そもそも、この話が囁かれている理由として、
①エボシ御前とサンの顔が似ている。
強くきりっとした目元に、にっと横に広がる口元。
そして何といってもエボシ御前もサンも尋常ではない美人。
凛々しい表情のみならず、笑った顔もそっくりだと言われています。
サンの年齢は、15歳。エボシ御前は推定・29歳だとして、14歳の時にサンを出産していたとしたら、15歳で母親になったということになります。
上記の方が言うように、室町時代なら不思議ではありません。
しかし確証がない事と、エボシ御前は倭寇の妻であったという過去があるため、真実ではないといえます。
サンは“生贄として山犬に差し出された”
サンは幼い頃に、“生贄として山犬に差し出された子供”と言われていますが、エボシ御前は、サンたちが住む山を開拓しようと目論んでいますよね。
そこで、山犬や山の神を鎮めるため、自身の子供であったサンを差し出したのではないか?という情報が存在しているのです。
しかし、とにかく人に寄り添い、大切に守ろうとするエボシ御前ですから、自身の子供を差し出すとは思えません。
サンが捨てられた山と、エボシ御前が開拓したタタラ場が近い
サンの住む山とタタラ場は非常に近い場所にあります。
そこから、自身の目が届き、目を見張れる場所を選んだのでは?と言われているのですが、それでは、“捨てる必要あったの?”など、疑問点が果てしなく出てきそうですよね。
もはや一番、こじつけに近い噂と言えるかと思います。
サンはエボシ御前と後醍醐天皇の子供?
こんな噂もあります。
エボシが後醍醐天皇と関係を持っていたであろう証拠は、エボシが勅書を女達に見せることである。これは大変な不敬行為であるが天皇と男女の関係にある女ならできそうだし、男から来た手紙を女友達に見せるという行為はいかにも好かぬ男への仕返しという感じがする pic.twitter.com/JqRJIdTQrx
— 七井コム斎 (@nanai_komusai) May 25, 2021
“エボシ御前と後醍醐天皇の子供はサン”と言われているのです。
上記の方のツイートの通り、エボシ御前が勅書を女性達に見せたシーンで、『エボシ御前の権力どうなってるの?!』と衝撃を受けるファンが多数いた模様。
絶世の美女・エボシ御前ですから、相手が後醍醐天皇でも不思議ではありません。
エボシ御前と手を組んでいたジコ坊も、そんじょそこらのおじさんでなく、帝からの勅命を受けて動いていた組織『唐傘連』の幹部だった事も夫・後醍醐天皇説を濃厚にしたようです。
しかし、いずれも確証を得る証拠がない事から、『エボシ御前とサン親子説』は、単なる噂だといえます。
まとめ
この記事では、もののけ姫の登場人物・エボシ御前にまつわる噂について、ご紹介いたしました。
エボシ御前のモデルが、鈴鹿御前こと立烏帽子だったことや、壮絶な過去があった事に驚きましたね。
だからこそ、タタラ場の女性や、病に苦しむ人々に自身を重ね、尽力し、守ろうという強い思いがある事が分かりました。
森や、森に住む生き物達に、危害を加える悪い人間だとフォーカスされがちですが、最後、山犬によって腕を失い、「一からやり直そう」と言ったエボシ御前の顔は、まるでみんなを守る女神のようでした。
また違う角度で、是非、エボシ御前の人柄に触れてみてください。