【火垂るの墓】海外の反応まとめ!高評価と低評価をそれぞれ紹介

火垂るの墓

「火垂るの墓」は、高畑勲監督の代表作であり、彼の作品中では海外で最も有名かつ評価の高い作品です。

フランスではなんと20年も上映が続いたという逸話があるほどです!20年って驚愕ですね!!

 

IMDbによる「火垂るの墓」のユーザーレビュー平均値は8.5。

正直、太平洋戦争を扱った作品が海外にどう受け止められるのかって、日本人である自分は戦々恐々としてしまうのですが・・・

評価は割れているものの、概ね高評価となっていました。

 

「火垂るの墓」を海外の方がどう受け止められ、どういった感想を抱くのか、とても興味がわきますね・・・!

海外レビューで多かった意見を抜粋し、高評価・低評価に分けてまとめてみました!

火垂るの墓:海外の高評価コメント

まずは「火垂るの墓」の海外の高評価レビューの中で、多く見受けられたコメントを抜粋していきます!

[say img=”https://animebolg.com/wp-content/uploads/2019/02/76051f4c9ef40d9f226cf714dd4f7a01.png” name=”海外のファン”]

「火垂るの墓」を観る事を最初は躊躇していましたが、友人にとても感動的で悲しいと薦められて観る事にしました。

映画の終わりには、私はぼろぼろ泣いていました。

これは、私が今まで観た中で最高のアニメ映画でした。

「火垂るの墓」は、戦争で犠牲者となる捨てられた(もしくは両親を亡くした)子供たちの運命の感動的な描写です。

この映画はハッピーエンドばかりを並べるアニメーション映画ではなく、この世界の真実を伝えます。観る者を楽しませようとすらしていません。

戦争の実際がどのようであるかについての物語です。

映画にはたくさんの悲しい瞬間があり、涙が絶えません。

[/say] [say img=”https://animebolg.com/wp-content/uploads/2019/02/82706cd90b9b8b2526afc0cfbff99ae7.png” name=”海外のファン”]この映画が期待通りに多くの賞を受賞しなかった事にちょっと腹を立てています!

「火垂るの墓」は非常に過小評価されています。

私は、この映画が今の時代に作られていたら、アカデミー賞長編アニメ映画賞を受賞したであろうという事に100%の確信があります。

これは、スタジオジブリがこれまでに制作した映画の中でも最高の作品です。

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この映画を観たら感動するよと言われていましたが、それすら控えめな表現と思えるほどでした。

私と友人は、これまで流した事のない膨大な量の涙を流す事になりました・・・。

それは、恐怖・共感・悲しみ・・・そしてリストアップする事すら出来ない非常に多くの感情の混合でした。私はこの映画を再び観る自信がありません。

それほどに強い感情が私を襲ったからです。たった一本の映画が!

アニメであろうと実写であろうと関係ありません。全ての人にこの作品を薦めます。

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想像以上に感動的!

この映画の焦点は、兄妹の関係性です。彼らの関係は、美しく感動的なものに他なりません。

「火垂るの墓」は、他の映画が果たした事のない方法で私に触れたと言わねばならないでしょう。

他の映画で動揺したり涙目になった経験はありますが、「火垂るの墓」は私をすすり泣く絶望に陥れました。

私はめちゃくちゃでした(感情的な崩壊という意味で)!

アニメーションか否かに関わらず、今まで観た中で最高の映画の一つです。

[/say] [say img=”https://animebolg.com/wp-content/uploads/2019/02/76051f4c9ef40d9f226cf714dd4f7a01.png” name=”海外のファン”]

これは私は今まで観た中で最も悲しい映画です。

これを観た後、携帯電話に保存した節子の画像を観るだけで何日も泣いていた。

この映画は私にとって人生を変える程の作品でした。

「火垂るの墓」をきっかけに、私はこの世の中─とりわけ世界の出来事を見る目ががらりと一変しました。

この映画は、子供たちの反戦教育に採用すべきです!愚かな戦争に苦しむ子供たちが少なくなるでしょう!

私たちの涙と嘆きは、世界中の何百万もの清太と節子の為のものです(T_T)。[/say] [say img=”https://animebolg.com/wp-content/uploads/2019/02/82706cd90b9b8b2526afc0cfbff99ae7.png” name=”海外のファン”]

まず、私は1000本以上の映画を観た経験がありますが泣いた事はほとんどありませんでした。

「火垂るの墓」は、私を泣かせた最初の映画であり、私が映画の途中で泣き、観終わった後にまた泣きました。

そしてついに泣き止みこのレビュー(私にとって初経験である)を書く事に決めました。

そして映画についてレビューをタイプしながら再び涙を流しました。私はかなりタフな男で、感情的になることはめったにありませんが、この映画の少年(清太)が私の胸を強く打ったのです。

こんなに心が痛むほどに感動的な体験でした。誰もがこの映画を観るべきだと思います。

間違いなく感動し、この映画を観終えた後、あなたは人生観が変わるでしょう。[/say]

以上が高評価コメントの抜粋です。

 

涙が止まらなかったとほとんどの高評価レビューの方が口を揃えていますね。

世界を見る目が変わった、人生観が変わったという方まで!

 

それほどに、終戦間際〜終戦直後の日本の国内状況が悲惨であり、それを忠実に再現したアニメだからこそ衝撃を受けたのではないでしょうか?

 

かわいらしい妹の節子は、清太が隠していた母の死をおばさんから聞いていたのに、清太には隠していましたよね。

火垂るの墓を作る時にサラッと清太に話していますが、それまで小さな胸に、どれほどの悲しみを抱えていたでしょうか・・・。

 

母の死を知った事が、節子の夜泣きの原因だったのかもしれないと思えてきます。

節子は今際の際でも、清太に恨み言一つ言わず「おおきに(ありがとう)。」とつぶやいて、眠るように息を引き取りました。その健気さには何度観ても胸を打たれます・・・。

 

レビューを見ていると、日本での悲劇だからというより、今現在も戦争をしている国があり、孤児が生まれ、清太と節子のように苦しんでいるという事実が観る者の胸に突き刺さったというかんじでした。

火垂るの墓:海外の低評価コメント

それでは「火垂るの墓」の海外の低評価コメントを見ていきましょう。

[say img=”https://animebolg.com/wp-content/uploads/2019/02/76051f4c9ef40d9f226cf714dd4f7a01.png” name=”海外のアンチ”]

映画にとても期待していたせいかもしれませんが、この映画にはとてもがっかりしました。

子供たちは気の毒にも悲惨な状況で、全てに見捨てられました。

けれども世話になっていた親戚の指摘通り、清太は食べるものを買うために何かしらの仕事が出来たはずです。

学校にも戻らず、仕事もせず、結局何もしなかった。清太は全てを否定していました。

節子は泣き喚き、私はその声にもウンザリしてしまった。

清太の頑固さと否定は、戦前・戦中の日本帝国の態度そのもののようです。

なので私はこの兄妹にまったく共感出来ませんでした。

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アメリカ兵は日本の木造ばかりの建物が並ぶ都市を爆撃しています。

これは、大きな戦争犯罪と言えます。

殺された人数だけを見たら、核兵器を落とすよりはるかに大勢の命が失われました。

けれども、敗北しても降伏しない日本兵の傾向が、米国側は日本に降伏させる為にあらゆる事をさせたとも言えます。

日本軍は連合軍側に莫大な人命の損失を引き起こしましたし、当時の米国政府は破産寸前でした。

しかし、この映画ではそういった事情は省かれ「私たちは本当は悪者ではない」というPR・・・

たしかに多数の無実の人々は戦争に大きな苦しみを味わいますが、日本国外の無実の人々の苦しみも示さなければバランスがとれません。

それが私にとっては非常に不快だったので、途中で観るのを止めました。

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これは間違いなくこれまでで最悪のジブリ映画です。

高畑勲監督は明らかにストーリーテラー(物語を巧みに語る人)ではありません。

「おもいでぽろぽろ」のように、脚本は他の人に任せたら良かったのに。

清太の愚かさと傲慢さときたら・・・それによって節子がどれだけ苦しむ事になったか!

高畑勲監督は観る者に清太への同情を強制しようとする方法をとっている事に反発したくなる。「厳しい時期でも自分でやる」。

盗みで妹を養おうとした清太の愚かさ・・・悪いのは親戚で世の中で米軍で戦争なのか?

節子の死も自分の死も、清太自身が引き起こした事ではないか?

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清田太 警察にて

引用元:https://renote.jp

[say img=”https://animebolg.com/wp-content/uploads/2019/02/76051f4c9ef40d9f226cf714dd4f7a01.png” name=”海外のアンチ”]

日本では、彼らが第二次世界大戦で何をしたかについて子供たちに教えていません・・・。

彼らは歴史教育からそれらを打ち切りました。

私はこの映画を好きになりたかったのですが、残念ながらアメリカ人を悪者に描いただけのストーリーでした。

[/say] [say img=”https://animebolg.com/wp-content/uploads/2019/02/82706cd90b9b8b2526afc0cfbff99ae7.png” name=”海外のアンチ”]

予測可能な浅いストーリーライン。アニメーションも良くない。退屈。歴史改ざん。

戦争映画が観たくなったら「プライベートライアン」を観たらいい。

優れたアニメーションが必要なら「ファインディング・ニモ」を観たらいい。

なにも日本のアニメを観る必要なんかない。

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危惧した通り、日本軍が悪かったのになぜ日本映画は歴史改ざんしようとするのか?という怒りのレビューもちらほらありました。

国籍が分かりませんのでそれについて意見はし難いですが・・・。思ったよりは少ないかな?

 

とりわけ連合国側の歴史教育では(残念ながら日本の歴史教育も同様ですが)、戦前日本は完全悪みたいに未だに教えられていますから、もっと溢れんばかりのクレームレビューが並んでいるかと思って戦々恐々と翻訳を進めておりましたが。

 

逆に思いのほか多かったのが、清太が仕事を探さなかったのが悪いという意見でした。

ぼんやり観ていると、意地悪な親戚やら度々ある爆撃やらお母さんのしやらで辛い状況が続く清太に同情してしまいます。

 

けれども海外の方々はもっとシビアに観ていて、なぜ14歳の少年が働かないのか?もしくは妹の為に親戚の元で我慢出来なかったのか?という意見が多数でした。

うーん・・・今の日本の中学生が聞いたら怯えてしまいそうなご意見ばかりです笑

 

でもたしかに、海外では小学校も行けずに靴磨きや使い走りなどで日銭を稼いでいる子供も多数おります。

それに戦前の日本教育を考えても、日本男児はもっとしっかりしていたと思われます。

 

清太がまだ1桁ならともかく、14歳でこれでは甘いと指摘されても仕方がないのかもしれません。

清太は仕事を探さずに、近所の畑から野菜を盗みながら生活していました。

 

さらには空襲警報で避難した家に押し入り泥棒までし始めました。

戦時下だったとはいえ許される行為ではないのではないでしょうか・・・。

 

そういう視点で観直すと、嫌味でケチな悪役だと思っていた西宮のおばさんが実は正論を言っていて、清太に働くか学校に戻るかしてほしくて厳しくしていたとも考えられますね!

高畑勲監督はなぜ「蛍」ではなく「火垂るの墓」にしたのか?

余談になりますが、なぜ、高畑勲監督は蛍と表記せずに火垂るとしたのでしょうか?

気になりませんか??あえてこの表記を選んだのには意味があると思います。

 

結論から述べてしまうと、「蛍」を「火垂る」と表記したのは、原作に即したからとのことです。なるほど。

じゃあなんで、原作者の野坂昭如氏は「火垂る」という表記を採用したのでしょうか??

 

江戸時代には「蛍」は旧字体で「螢」と表記されています。

江戸時代の儒学者であり庶民教育家でもあった貝原益軒が書いた百科事典「大和本草」に「螢火。ホは火なり、タルは垂なり」とあります。

火垂るの由来

現代語にすると、「蛍とは、火が垂れるという意味です」と書かれているんです!

火が垂れるから、「火垂る」なんですね!

 

また、野坂昭如氏はこんな発言をされていました。

「しんみり、しつとり」私小説、題名は「蛍の川」とし、すぐ伊藤桂一の受賞作「蛍の河」に思い当り、しかし蛍に執着があった。百科辞典をひくと、古語に「火垂る」、火が垂れる、つまり空襲、すぐ「墓」とつづいた。

「火垂る」には、虫の蛍と神戸空襲の焼夷弾のイメージが投影されているという事ですね・・・。

こちらは1945年に神戸を空襲する米軍のB29爆撃機から撮影された写真です。

神戸上空でものすごい数の焼夷弾を投下中です・・・。

 

そんな最中に撮影してるってのも、記録のための命令だったとはいえ腹立たしいかぎりですが・・・。

調べてみると、神戸空襲は、東京大空襲の1.5倍もの焼夷弾が投下された大空襲だったという記録がありました。

 

量にして3000トンの爆弾だそうで・・・そんな大空襲だったのに、全国的にはあまり知られていないように思います。

焼夷弾は、夜空に赤く燃え盛りながらばら撒かれました。

その赤い光と、蛍の淡い光を掛けたのですね。

 

この焼夷弾、専門家の研究によると「燃えながら落下することはない」のだそうで・・・。

本来の仕組みからして、地面に接触したと同時に爆発するので燃えずに落ちてくるはずとのこと。

これに、高畑勲監督は猛反発されていました。

自身の目で見た焼夷弾は燃えていたのだ、と。高畑勲監督は、幼い頃に岡山で空襲を実際に目撃しているのですって。

 

清太と節子が蚊帳の中にたくさんの蛍を放ち、幻想的に光る蛍を眺めながら眠るシーンがありました。

そして、蛍に囲まれた夜が明けると周囲にたくさんの蛍の死骸が散らばっていました。

美しく輝く蛍たちの命は一晩で尽きてしまったんですね。

これは、夜間に焼夷弾をばら撒かれた神戸の人々が被爆し、翌朝死骸が散乱していた風景と重ねているのではないでしょうか?

 

その蛍を葬る墓を節子が作ります。「なんで蛍死んでしまうん?」と清太に問いかけながら・・・。

そして、その時に節子は母親の死を伯母から聞いて知っていた事を清太に告げます。

 

この時、清太はズルくて非情だった伯母がさらに嫌いになったでしょうし、伯母の家に戻るという選択肢が永久に消えたのではないかと思います。

また、儚い命の蛍と、満足に食べる事も出来ずに死にゆく兄妹の姿を重ね合わせているとも考えられます。

まとめ

「火垂るの墓」の海外の反応、いかがでしたか?

意外にも高評価が多く、今でもカルト的人気を誇っている事に驚きが隠せません!

 

個人的には何度も観るにはしんどくて(苦笑)

一回観たらしばらく寝かせておきたくなる作品です・・・。

 

平和な今の日本では想像も出来ませんが、我々の祖父母が実際に生きた時代の話なんですよね。

祖父母が生き延びてくれたからこそ今の私たちが存在すると思うと、当時頑張ってくれたご先祖様に心から感謝の念が溢れてきますね!

 

おじいちゃんおばあちゃん、生き残ってくれて本当にありがとうーーー!

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