あのスタジオジブリの名作映画「となりのトトロ」が1988年に公開されて、早33年。
子供から大人まで、幅広い年代にたくさんのファンがいる珠玉のアニメ映画ですよね!
そんな「となりのトトロ」には、実はさまざまな都市伝説も存在しています。
そのうちの一つに、なんと狭山事件と呼ばれるおぞましい殺人事件がモチーフだという都市伝説があるのです・・・。
なんでそんな都市伝説が生まれてしまったのか、非常に気になります。
でも、調べるのがちょっと怖いような、やっぱり知りたくないような・・・。
でもでも、都市伝説が事実なのかどうか、この際はっきりさせましょう!
「となりのトトロ」が大好きな子供達のためにも、実際のところデマなのか真実なのか、しっかり検証していきたいと思います!
狭山事件とは?
まずは、狭山事件について調べてみました。
狭山事件は、1963年5月1日に狭山市で実際に起こった強盗強姦殺人事件です。
狭山市に住む16歳の高校一年生の少女が何者かに誘拐され、実家に身代金を要求する手紙が届けられました。
家族は警察に相談し身代金を準備しましたが、犯人が警察に気づき逃走してしまいます。
その後なかなか犯人が捕まらず、3日後には被害者の少女は強姦された後に殺害され、畑に埋められていました。
残虐かつ陰惨で、当時狭山事件のニュースはかなり世間を驚かせました。
逮捕された犯人は一審で罪を認めましたが二審以降は無罪を主張しています。
そして狭山事件の裁判は未だに続いています・・・。
あまりにひどい事件で、被害者の少女およびご家族の無念を思うと犯人には強い憤りを覚えます・・・。
被害者の方には心よりお悔やみ申し上げます。
となりのトトロと狭山事件の3つの共通点
都市伝説によると、「となりのトトロ」と狭山事件には3つの共通点があるといいます。
その3つとは、
- 狭山事件が起こったのが5月で被害者は姉妹
- 狭山市の「となり」は所沢市
- 被害者家族の奇妙な発言
との事なのですが・・・一つづつ確認していきましょう!
狭山事件が起きたのは5月!被害者の姉妹がモデルだった?
狭山事件がトトロの着想に関係があるという都市伝説が出て来てしまった背景には、狭山事件が起きたのが5月だったからというのが大きな理由になっています。
サツキもメイも、名前が5月にちなんでますからね!
5月は日本の和風月名で「皐月(さつき)」と呼びますし、英語にすると「May」です。
宮崎駿監督は、二人を5月にちなんだ名前に設定しています。
また、狭山事件の被害者には姉がいて、行方不明になった妹を探し回ったという逸話があります。
それも都市伝説に繋がる一因となったんですね。
これは、被害者の姉がサツキのように妹を探し回ったのではなく、身代金を運んだというのが事実でした。
被害者姉妹の母親はすでに亡くなっており不在だったというのも、「母親が不在」という共通点として挙げられています。
狭山市の「となり」は所沢市(トトロの舞台)
「となりのトトロ」の舞台となった埼玉県所沢市は、狭山市の隣に位置しています。
タイトルの「となり」という言葉の意味を深読みすると、狭山市の「となり」は所沢市!と言ってるんじゃないか?というのが都市伝説側の主張です。
サツキやメイたちの引っ越しをお手伝いしているカンタのおばあちゃんのシーン。
この映像でも「狭山茶」と記されたダンボールが写っていることから、となりのトトロと狭山事件は関係があるのでは?という噂に。。
ですが、宮崎駿監督自身が大学を卒業後に所沢市にお引っ越しされており、現在も所沢市で暮らされています。
なので、ご自身が長らく住まれて愛着のある所沢市が舞台に選ばれるのは自然な事に思えます。
なので、狭山ぜんぜん関係なくない?っていうのが率直な感想ですね。
被害者遺族(姉)の発言と猫バス
被害者少女の姉が裁判の証言で「猫のお化けを見た、でかいタヌキに会った」と発言したという噂があります。
猫のお化け=ネコバス、でかいタヌキ=トトロ、という風に都市伝説では説明をしていますね!
実際は、裁判中にお姉さんが奇妙な発言をした記録はありませんし、しっかりとした発言をされているのです・・・。
都市伝説に関連して狭山事件を書いているブログを検証すると、狭山事件の内容が随分でたらめで、事実ではないのに都市伝説に近づける内容に書き換えているものが多数見受けられました。
狭山事件に関するこういった事実無根の噂の出どころは2ちゃんねるであろうと見当をつけられている方もおります。
「となりのトトロ」は狭山事件がモチーフになったという説が広まった時期も、この2ちゃんねるのスレ前後であるという情報も見つけました!
被害者の姉は、犯人の有罪判決以降ノイローゼになって自殺をしてしまっています。
これ以上、おもしろおかしく被害者の姉の人格を貶める噂を都市伝説として流布するのはいかがなものでしょうか・・・。
となりのトトロと狭山事件との関連について宮崎駿がコメント
今回調べている「となりのトトロ」と狭山事件との関連について、宮崎駿監督も否定のコメントを出していました!
「となりのトトロ」が、都市伝説とはいえこんな恐ろしい事件と関連づけられてしまった事で、宮崎駿監督も思うところがあったのでしょうね・・・。
宮崎駿監督は過去に左翼運動に傾倒していた時期があったので、作品の中に組み込むほど狭山事件に思い入れがあったのでは?という意見もありました。
それもあって、こんな都市伝説が生まれてしまったのだと考えられます。
中には「狭山事件を忘れるなという裏メッセージが込められている」なんて都市伝説まで見かけました。
これはむしろ、宮崎駿監督ではなく事件に興味のある人物側の意図と受け取るべきです。
なぜなら、殺人事件と関連付けられても「となりのトトロ」側にメリットがまったくありませんからね!
都市伝説を広めている側に、狭山事件を風化させたくない何かしら不気味な意図が滲み出ている気がしてなりません。
「となりのトトロ」のような有名な作品に紐付ける事で、事件を知らないたくさんの方が検索しますからね。
大人達の勝手な思惑に「となりのトトロ」を巻き込むなんて許せないと思ってしまいます・・・。
スタジオジブリ公式サイトのジブリ日誌では2007年5月1日に「誰かが、面白がって言い出したことが、あっという間にネットを通じて広がってしまったみたい。」と、広報部からも正式に否定のコメントがしっかり出ています!
ゴールデンウィークの谷間の出勤日ということで、取引先からの電話も少なく、なんとなーく平和な3スタ2階。と、そんな中、かかってくるのはなぜか「トトロは死神なんですか?」という一般の方からの問い合わせばかり。みなさん、ご心配なく。トトロが死神だとか、メイちゃんは死んでるという事実や設定は、「となりのトトロ」には全くありませんよ。最近はやりの都市伝説のひとつです。誰かが、面白がって言い出したことが、あっという間にネットを通じて広がってしまったみたいなんです。「映画の最後の方でサツキとメイに影がない」のは、作画上で不要と判断して略しているだけなんです。みなさん、噂を信じないで欲しいです。 ...とこの場を借りて、広報部より正式に申し上げたいと思います。
また、「みなさん、噂を信じないで欲しいです。」という寂しげなコメントも出ています・・・。
広報部がコメントを出したのが5月だったのも狭山事件と関係があるからだ」なんて噂もありますが、スタジオジブリの方々にとっては「5月といえば、サツキとメイ!」だから5月のコメント発表になったのでしょう!
結論からいうと、宮崎駿監督は「となりのトトロ」と狭山事件との関連性を全否定していました!
ほっ・・・よかった〜!監督の口から聞けるまではなんだか疑ってしまうってものです!
まとめ
私の個人的な意見としては、もうね、こういうこじつけは本っっ当に迷惑!!!というのが率直な感想です!
このご時世、映画を観て「となりのトトロ」について純粋に知ろうとして、インターネットで調べる子供だってたくさんいます。
たまたま知った都市伝説を鵜呑みにして、狭山事件のような不気味で血生臭い事件と関係があると信じてショックを受けてしまったらと思うといたたまれません・・・。
それは、子供達にやさしい気持ちを届けたいと考えて制作した宮崎駿監督の意志に反しますし、とても悲しむことでしょう・・・!
とはいえ、それだけ作品が魅力的で、いろいろな考察をしたくなるほどに愛されているという事の裏返しともとれますね!
「となりのトトロ」は、狭山事件とはまったく無関係という事がはっきりしましたね!
トトロはあなたのイメージした通り、ほっこり心あたたまる、ハートフルな映画で間違いありません!私もほっといたしました(笑)
どうぞこれからも安心してご覧下さいね。