『もののけ姫』ではアシタカやサンなど、個性豊かなキャラクターが並ぶ中、映画序盤に登場した、美しく健気な少女がいた事を覚えていますでしょうか。
この記事では、その少女カヤにスポットを当てて解説していきます。
アシタカとの関係は?カヤが受けた罰とは?
アシタカにあげた小刀に込められた願いなど、カヤの秘密に迫ります。
カヤとアシタカの関係性とは?黒曜石の小刀をあげた意味とは
カヤと言えば、アシタカと同じエミシ村に住む少女ですよね。
物語序盤で、「兄様」と呼び、アシタカの元へ駆け寄ってくる、3人の村娘の中の一人として登場します。
その呼び方から、アシタカの妹として解釈していたのですが、この村では、年上の人の事を「兄様」、「姉様」と呼ぶ風習があるそうで、アシタカとカヤは兄妹ではない事が分かります。
カヤが一体どんな人物であるか調べる為にカヤの登場シーンを振り返ってみましょう。
森から下ってきたタタリ神がカヤ達を見つけ、突進してきます。
その時、カヤは刀を振りかざしていた事から、勇気のある肝の据わった性格である事が垣間見えます。
その後、アシタカが矢を放った事で、カヤ達は助かりますが、攻撃を受けた事で、更に暴れ狂うタタリ神に右腕を捕われたアシタカは呪いを受けてしまいます。
負傷したアシタカの元へ真っ先に駆け寄ったのはカヤでした。
この時、おや?カヤはアシタカが好きなのかな?と筆者は思いました。
自身にかけられた呪いを絶ち、シシに埋められた石の礫の根源を探る為、アシタカは西の国に赴く事を決意します。
村を後にするアシタカの元に、見送ってはいけない掟を破ってカヤが現れます。
「私の代わりに、お守りするよう息を吹き込めました。カヤはずっと兄様を想っています。」と想いを告げるカヤ。
その時、その言葉と共にアシタカに渡したのが、黒曜石の小刀と言われるものです。
「大切な玉の小刀ではないか。」というアシタカ。
アシタカ達が暮らす村では、変わらぬ心の証として女性が異性に渡す贈り物という習わしがあるのです。
そんなカヤに対し、アシタカは「私もだ。いつもカヤを想おう。」と答えます。
やはりカヤはアシタカの事が好きで、アシタカもカヤの事が好きなんだと微笑ましく思った瞬間でした。
それもそのはず、二人は将来を約束された仲であり、カヤはアシタカの許嫁なのだそうです。
そういう事だったのですね!
それなら身を呈してカヤ達を守るアシタカの行動や、危険を承知ながら、アシタカを見送りに来るカヤの気持ちが分かりますね。
カヤはその後どうなったの?
しかし、二人の会話と様子から、二度と会う事はできない様子……
村の巫女であるヒイ様に、右腕にかかった呪いは、いずれ骨まで到達し命を奪うと言われていましたよね。
命が尽きてしまう運命と、遠い西の国への旅という事から再会できる可能性はないに等しいと思われます。
アシタカが村を出る事を決意した際には、自身の髪を切る場面がありました。
もう村の人間ではないという行為なのだそうです。これはもう決定的……
それを知ったカヤはきっと絶望したはず。
それならいっそ一緒に旅へ出て、アシタカと少しでも長く時間を共にしたらどうかと思ってしまう所。
そういった描写もなく、自分の代わりにと小刀を渡していた事から、それは許されない事なのでしょう。
それとも同行できない事情があるのでしょうか?
その事情の真相を解いていきます。
カヤが受けた罰とは?
もう二度と会えないとなれば、掟を破ってでも最後に会いたいと思うのは、健気にアシタカを想うカヤだったら当然の事。
罰を受けると言っていましたが、その後のカヤが気になります。
確証を得る事はできませんでしたが、ネットではカヤが受けた罰は死罪なのでは……と何とも心苦しい情報が……
しかし、この村の人々の人柄や、雰囲気からそこまでの重い罰を課すとは思えません。
しばらく外へ出てはいけないとか、労働を課すなど、そういった罰なのではないかと思われます。
カヤに子供はいるの?
もう一つ囁かれているのは、カヤの妊娠説。
実はアシタカの子を身ごもっていて、一緒に旅に行く事ができないのでは。と言われているのです。
でもまだ子供では?と思ってしまいますが、カヤ達が生きる時代は室町時代後期の設定です。
カヤは13、4歳であり、現代で言えば中学2年生ぐらいなので確かに子供ですが、この時代では、この年齢で妊娠する事は決して珍しい事ではないのです。
しかし、こちらも確証を得る情報はなく、もし子供がいたらすでに結婚しているでしょうし、カヤはタタリ神から逃げる際も走っていたり、お腹が大きくなっている様子もない事から、ただの噂話に過ぎないと言えます。
カヤは「かわいそう」と同情の声も多数
そんなカヤに「かわいそう」と言う声が……
愛する許嫁と会えなくなってしまった事かと思いきや、その発端はアシタカのある行動が原因な模様。
注目すべきは、物語中盤を過ぎた所、アシタカは、カヤからもらったはずの小刀を「サンに渡してくれ!」とサンの育ての親である山犬に投げ渡しています。
この行動に視聴者からは、
[say img=”https://animebolg.com/wp-content/uploads/2019/02/76051f4c9ef40d9f226cf714dd4f7a01.png” name=”視聴者”]アシタカ最低!許嫁がせっかく想いを込めて贈った黒曜石の小刀をサンにあげちゃうなんて…[/say]
[say img=”https://animebolg.com/wp-content/uploads/2019/02/82706cd90b9b8b2526afc0cfbff99ae7.png” name=”視聴者”]マジでカヤちゃん目線からすると気が気じゃ無いと思う。本当に。[/say]
などアシタカに非難の声が続出……
アシタカよ。何故こんな事をしてしまったのか。
仮説を立てて考察していきましょう。
仮説① 一人で生きていくであろうサンの身を案じた?
サンの育ての親、山犬の寿命がまもなく尽きる事を知って、サンが無事に生きていけるように、唯一持っていたお守りを渡したのではないでしょうか。
誠実に生き、正義感の強いアシタカですから、カヤを想う気持ちに変わりはないが、大切な仲間の一人として、孤独に生きるサンの事を思って出て行動なのかもしれません。
自身を想うカヤなら分かってくれるという思いがあったと思いたいです。
仮説② サンに恋をした
将来村の長になるという責任から、村が決めた結婚を受け入れたのかもしれません。
カヤの事を助けたり、いつもカヤを想うとした発言は、大切な妹分として想っていた可能性もあります。
そして出会ったサンに恋をし、小刀を渡してしまった……
カヤの事を想うと非常に辛いですが、二度と会う事はないという事は、もう許嫁ではなくなるという事も意味しています。
共に戦ううちに、サンに恋心が芽生えてしまったと考えられます。
スタジオジブリの絵コンテに、アシタカがサンにプロポーズをする絵が存在するという情報もある事から、仮説②が濃厚な模様。
そしてもう一つ気になるのは、カヤとサンの声を石田ゆり子さんが演じているという事。
スタジオジブリ様。何を思っての配役?
絵コンテの存在も考えると皮肉すぎやしませんか?
もしかしてカヤとサンは生き別れの双子なのでは……
妄想の爆走が止まりません!
いずれにしても、カヤの切なすぎる恋心……
知らぬが仏と言う言葉もありますし、いけない事かもしれませんが、まだ若いですから、どうか幸せになっている事を願うばかりです。
まとめ
この記事では、アシタカの許嫁であるカヤの詳細に迫りました。
カヤの年齢に驚いたと共に、この歳で一生の想いを捧げるという覚悟に脱帽いたしました。
現代であれば、どこにいるのか聞く事かでき、メールのやりとりをする事もできます。
この時代ならではの切ない恋の存在に、胸が苦しくなりましたね。
そしてアシタカの小刀横流し問題。
最低と言う声も多いですが、男気溢れるアシタカの事ですから何か考えがあったのでしょう。
ジブリの絵コンテの存在も気になりますが、静かに運命を受け入れる男でもありますから、筆者も静かに見守っていきたいと思います。
物語序盤のみの登場ですが、カヤの想いを感じながら物語を是非見返してみてくださいね