スタジオジブリの不屈の名作「となりのトトロ」には、たくさんの不思議で魅力的な存在が登場します。
トトロをはじめ、まっくろくろすけ、ネコバス、、、みんななんだかちょっと怖い、でもとってもかわいいですね!
その不思議なキャラクター達の中で、ネコバスだけは、実在する生き物である「ネコ」が名前についています。
あの、ネコ毛のふわっふわな座席に乗ってみたい!もふもふしたい!って思っていた方もたくさんいるんじゃないでしょうか?
でも、ネコバスの正体はどう見ても普通のネコではないですよね。大きいし、空を飛ぶし、足もた〜くさんあるし・・・。ネコバスの正体って一体何なのでしょうか?
そしてネコバスは、乗客を一体どこに運んでいるのでしょうか?
実はいくつかその行き先が見えていました。とっても気になります!
そんなネコバスの正体と、その行き先にまつわる都市伝説を調べてみました!
ネコバスの正体とは?モデルはいるの?
そもそもネコバスの正体って一体何なんでしょうか?
映画を観ただけでは、あんな生き物は実在しないって事しか分かりませんね!
でも、何かしらモデルになった生き物がいるのではないでしょうか?
私自身は、初めてネコバスを観た時、「不思議の国のアリス」に登場するチェシャ猫に似ているなぁと思ったものです。
木の上に留まって、横に裂けるほどの口を開いて笑う姿がかさなって見えました。
でも、チェシャ猫の足は4本だし、バスじゃないし、ちょっと不思議だけど普通の猫っぽいですね。
2010年に宮崎駿監督は、岩波少年文庫創刊60周年記念で岩波少年文庫のラインナップから50冊を推薦されています。
そのうちの一冊に、1955年刊行のルイス・キャロル作「不思議の国のアリス」を挙げていらっしゃいました。
なので少なくとも、宮崎駿監督はチェシャ猫の存在はご存知だったという事になりますね!
実は、宮崎駿監督はインタビューの中で「ネコバスの正体は、バスに化けた化け猫」であると明言していました!
ネコバスは、昔はただの化け猫だったけれど、バスを見て面白いと思ったので真似をしたのだそうです。
しかも、「昔はカゴに化けていた」のだとか!カゴというのは、日本の時代劇などで登場するあの人力の乗り物です。
カゴの一体どこにネコの顔があったんでしょうね・・・!?う〜ん、そっちもちょっと見てみたいような気がします!
ちなみに、ネコバスが昔はカゴに化けていたという話は宮崎駿監督の著作「スタジオジブリ絵コンテ全集3 となりのトトロ」に出ています。
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ネコバスは、「乗り物に化けるのが好きな化け猫」でした!もうそれしかないでしょってくらい納得出来る、宮崎駿監督の回答でした。
ネコバスの足の数は何本?
たくさんあるネコバスの足、数えてみましたよ!
なんとネコバスの足の数は12本!
足がいっぱいあって絡まりそうですが、上手に使っているんですね〜。
行き先が決まれば12本の足で疾風のごとく駆け抜けていきます。
電線の上だっておかまいなし!そんなに足の数があれば、1本くらいズルッと落っこちても大丈夫ですもんね(笑)
ネコバスの性別はオス?メス?
ネコバスにも、普通のネコのように性別ってあるのでしょうかね?
調べてみました。ネコバスの性別についてはスタジオジブリの公式発表はありませんが、「オス」とのことです!
「となりのトトロ」終盤で、メイが電線に乗っているネコバスを見上げているシーンがあります。
そして、ネコバスが全部の足をバッと広げた時に、なんと足の間に・・・
ふぐり(ω) が見えています・・・!!!
昔観た時はぜんぜん気がつかなかったなぁ〜と思いつつ、たしかにしっかりふぐり(ω)がついているのを確認しました(笑)
ネコバスの性別はオスでした!なんとなく、その顔つきでオスかな〜?と薄々思っていたのでやっぱり!というかんじです。
ネコバスには子供がいる?
実は、ネコバスには子供がいるという噂があるんですよ。
そんなの絶対かわいいに決まってますよね!噂が本当かどうか、調べてみました。
なんと本当に子供がいました!こねこバスというそうです。
何それかわいい!!
こねこバスは、2002年から三鷹の森ジブリ美術館のみで上映されている15分の短いスピンオフ作品に登場していました。
メイとこねこバスが友達になるそうですよ!
「となりのトトロ」ファンなら観ておきたい作品ですね。
ネコバスの行き先一覧
ネコバスにはいくつもの行き先が登録されています。一体どんなところに運んでくれるのでしょうか?
ネコバスの行き先プレートに出る場所は全部で9か所。
「塚森」から「めい」に行き先を変更する時に、「長沢」「三ツ塚」「墓道」「大社」「牛沼」がありました。
そして、「六地蔵」の次がお母さんの入院先の病院である「七国山病院」、最後の行き先は「す」となっています。
- 塚森
- 長沢
- 三ツ塚
- 墓道
- 大社
- 牛沼
- めい
- 六地蔵
- 七国山病院
- す
の順番です。一つ一つ確認してみましょう!
塚森
「塚森」は、ネコバス初登場の時のネコバスの行き先に出ていました。作中では、メイが迷い込んだトトロ達の住む森の名前です。
「塚森」という地名は実在していませんでしたが、「塚森」のモデルとされた場所は見つかりました!
所沢市北野にある白旗塚が「塚森」のモデルです。
白旗塚は前方後円墳で、小手指古戦場跡碑から西に行ったところにあります。
この白旗塚の入り口が、なんとメイが小トトロ達を追いかけて行ったあの坂道にそっくりなんです!
「塚森」の場所はここで間違いなさそうですね!
長沢
「長沢」も見つかりました!
舞台となった所沢市から西武新宿線でさらに秩父方面に下った飯能市に「長沢」という地名が見つかりました。
三ツ塚
全国各地に「三ツ塚」という地名が存在しています。愛知県から大阪府にかけての地域に集中しているのですが、その中で一か所、東京都練馬区に三ツ塚緑地という場所を見つけました。
制作をしていたのは東京都内のスタジオで、舞台は埼玉県所沢市である事を考えると、この三ツ塚緑地が最有力候補であると言えるでしょう!
「三ツ塚」の場合はモデルになったというよりは、名前を拝借しただけと考えられます。
墓道
これは、地名というよりそのまま「墓への道」と捉えるのが良さそうです。古墳の入り口から内部の墓までの道のりの事を「墓道」と言います。塚の次が墓への道、というのはなんとなく分かる気がします!
大杜
「大社」といえば神社ですね!
2005年3月22日に島根県出雲市に合併されてしまいましたが、かつては島根県に大社町という町が存在していました。
出雲大社のそばに、今は廃駅となってしまった大社駅というJRの駅が今も残っています。
この廃駅、私も足を運んだ事があります。
今は少なくなった木造建築で、外観は和風ですが中に入るとダークブラウンの木造に光が乱反射するガラスの風情がとっても素敵なんですよ!
出雲大社といえば、10月には日本中の八百万の神々が集まって会議をする神社さん・・・。
トトロがクスノキに宿る神様なら、10月にはネコバスに乗って神様会議に参加しているのかもしれませんね!
牛沼
「牛沼」は、埼玉県所沢市に実在する地名です。
ここは「となりのトトロ」の舞台となった場所でもあります。
サツキとメイの家がある「松郷」のお隣に位置しています。
「松郷」も実在しているんですよね〜、ちょっと行ってみたいかも。
余談ですが、所沢市には「所沢航空発祥記念館」という航空機の記念館があります。
ここは、日本で初めて飛行場が出来た場所です!
スタジオジブリの作品には、「天空のラピュタ」や「紅の豚」を筆頭に、さまざまな種類の航空機が登場しますよね。
宮崎駿監督も、所沢航空発祥記念館に足を運んでイメージをふくらませていたのかもしれませんね!
めい
これは、「となりのトトロ」を観た方は皆さんご存知の行き先ですね!
迷子になったメイが見つからなくて途方に暮れたサツキがトトロにお願いして、ネコバスにメイの居場所に運んでもらいました。
六地蔵
「六地蔵」は、京都府宇治市に実在する地名です。
京都市から宇治市に抜ける交通の要となっていて、「六地蔵」という名前の駅も存在しています。
これも余談になりますが、「六地蔵」には2019年に放火された京都アニメーション第一スタジオがありました・・・。
地名は実在していますが、ネコバスの行き先の「六地蔵」は京都ではなく、メイが迷子になって佇んでいたあの六体のお地蔵様のある場所だと考えられます!
七国山病院
「七国山病院」という病院は実在しませんが、そのモデルとなった東京都東村山市にある「新山手病院」と「都立白十字病院」が建つのが「八国山緑地」という場所でした。
「八国山緑地」は、「となりのトトロ」の時代設定である昭和30年代に、結核専門の療養サナトリウムがあったことで有名な場所です。
作中にははっきりと描かれていなかったお母さんの病気が何なのか、観る者にイメージさせるような設定ですね・・・。
す
す?何かの間違いかな?と、皆さん思ったのではないでしょうか?
でも、「す」は「す」でした!そう、「巣」です!ネコバスのおうちですね(笑)
これ以上ネコバスの終点地にふさわしい行き先はないでしょう。ネコバスも、遊んだ後はおうちに帰るんですね〜。
ネコバスの性別はオスで、かわいいこねこバスがいるんですから、ネコお母さんバスも存在するって事になりますね!
ネコバスの巣では、ネコお母さんバスがごはんの支度をして、こねこバスと一緒にネコバスの帰りを待っているのかもしれません!
ネコバスの巣に、ネコバス3人家族がのんびり猫団子しているところ、見てみたいです!
ネコバスがサツキとメイにしか見えない理由は?霊界へ運ぶバスって本当?
ネコバスがサツキとメイにしか見えない理由についても考察してみました!
ネコバスがサツキとメイにしか見えない理由は
まっくろくろすけはお隣のおばあちゃんも子供の頃に見えていましたよね。
でも、ネコバスはサツキとメイ以外の他の子供には見えていないようです。
まっくろくろすけが見える条件としては、子供の純粋さや好奇心が挙げられますが、ネコバスの場合はそれだけではないようです。
サツキとメイにしか見えないのは二人が死んでいるからだ!という都市伝説や、たまたまカンタがネコバスを見るシーンがなかっただけだ!という意見が見受けられます。
追って詳しく解説しますが、姉妹がすでに死んでいるという都市伝説は公式に否定されています。
たまたま遭遇しなかっただけというのも、ちょっと乱暴な結論ですよね・・・。
カンタと、サツキとメイの境遇を比較してみましょう!
カンタは現在特に大きな問題もなく、家族もみんな幸せですよね。
カンタは一心に何かを祈ったり救いを求めたりしていない、という点があります。
対するサツキとメイは、明るくふるまっていても、いつも心の奥では病気のお母さんの心配をしています。
死んでしまうんじゃないかと怖がってもいます。
そして、いつの日かまた家族4人で一緒に暮らしたいという強い想いを抱えています。とってもけなげな姉妹なんですよね・・・。
ネコバスがサツキとメイにしか見えないのは、サツキとメイにはどうにかしたい、でも自分だけの力ではどうにもならない問題を抱えていたからではないでしょうか?
そして、神社のカシの木に純粋に祈る心を持ち、トトロに傘を貸す優しさも持ち合わせています。
そりゃ、トトロやネコバスも二人を守りたくなりますよね!そんな二人だからこそ、ネコバスも姿を見せたと考えられます。
ネコバスは、メイを見つけたいというサツキの強い想いと、お母さんにとうもろこしを届けたいというメイの強い想い、その想いの行き先に運んでくれました!
ネコバスは霊界へ連れて行くための乗り物?
ネコバスの都市伝説についても詳しく考察をしていきましょう。
- ネコバスの行き先が古墳や墓地をイメージする地名だった事
- メイの靴に似た靴が川に浮かんでいた事
- お母さんの病室を窓の外の木の上から眺めていた事
これらのシーンから、サツキとメイは死んでいて、ネコバスは霊界へ運ぶバスなのだという都市伝説が生まれたようです。
でも、これは公式に否定されています!
ジブリスタジオの広報が否定していますから、都市伝説が事実ではないのは間違いないでしょうね!
「となりのトトロ」は宮崎駿監督が子供達を喜ばせる楽しい映画にしようと考えて制作された作品です。
エンディングテーマ中にはお母さんが車で帰って来る姿も描かれていますしね!
サツキもメイも実は死んでいるのではとファンの方々が考えていると知ったら、宮崎駿監督は寂しい気持ちになるのではないでしょうか?
ネコバスが霊界へ運ぶバスだという噂は、本当ではありませんでした!
そもそも神秘的な存在や場所というのは、生死に関わりがある事が多いですから、ネコバスの神秘性を表現する行き先のネーミングからそんな都市伝説が生まれたのでしょうね!
まとめ
今回は、ネコバスの正体と行き先について、徹底的に調べてみました。
性別があったり子供がいたり、こまかな設定がなされていて本当にビックリです!
「となりのトトロ」は、観るたびに新しい発見のある素敵なアニメだと思います。
都市伝説は事実ではない事が分かってホッとしました。
安心して小さなお子さんとほっこり何度でも「となりのトトロ」を観て下さいね!